「テニス・全仏オープン」(1日、パリ)
テニス女子で世界ランク2位の大坂なおみ(23)=日清食品=が31日、自身のSNSを更新し、大会を棄権することを発表した。18年全米オープン以降、うつ病に悩まされてきたことを告白。当面コートから離れる意向を示したが、関係者は開幕まであと約50日と迫る東京五輪については「必ず出る」と断言した。大坂は大会前に記者会見拒否を表明。1回戦に勝利後、宣言通りに会見を拒み、主催者から罰金1万5000ドルと、拒否が続いた場合の大会追放、四大大会の出場停止の警告を受け、「さようなら、清々する」と反発。波紋が広がっていた。
突然の告白とともに、大坂が赤土を後にした。記者会見拒否問題で大会主催者側との対立が泥沼化していた23歳は、棄権の表明とともに、うつ病を患っていることを公表し、世界に衝撃を与えた。
「2018年の全米オープン以降、長い間うつに悩まされてきたことが真実です」-。
テニス界に一石を投じた記者会見拒否騒動。これまで自身の発信力を武器にさまざまな問題提起を行ってきた大坂だったが、今回の問題についてはSNSでの一方的な主張や打開に向けて対話に応じなかった姿勢に他の選手から疑問の声も上がっていた。会見拒否に至った経緯については「私はメディアに話す前に大きな不安に襲われます。パリでは既に不安を感じていて、記者会見をやめたほうがいいと考えました」と、説明。前日には罰金処分と大会追放、四大大会出場停止を警告してきた大会側に対して、SNSで「さようなら、清々する」と記された画像を掲載し反発をにじませていたが、その後、謝罪したことを明かした。
うつ病発症のきっかけとして言及したのは、初めて四大大会を制した18年全米オープン。ただ、米国のスターであるセリーナ・ウィリアムズを破った当時20歳のニューヒロインには容赦ないブーイングが飛び、インタビューで涙した。その後は立場が一変し、トップ選手としての結果、振るまいが求められることになり、スランプも経験。さまざまな重圧が心をむしばんでいたのか…。
天真らんまんな奔放さと、繊細さを併せ持つ大坂には不安定さが付きまとってきた。自身を「内向的」と表現する大坂は会見を涙して打ち切ったり、試合中に怒りでラケットをたたき壊したりと精神面の課題を指摘されてきた。一方で、行動的な一面も。昨年の全米オープンでは白人警官による黒人男性暴行死事件の被害者名が入ったマスクを着用しながら優勝した。時事的、政治的な問題にも臆することなく言及し、スポーツの枠を超え、発信力を高め、オピニオンリーダーとしての立場を確立してきたが、苦手なクレー(土)、芝のシーズンに入り、心のバランスが崩壊した。
ツイッターでは「少しの間コートを離れます」と、休養を示唆した大坂。東京五輪開幕まであと約50日と迫る中、復帰時期に注目が集まるが、関係者は「(28日開幕の)ウィンブルドン選手権は五分五分だが、五輪には必ず出る。そのために日本国籍を選んだんだから」と断言した。
夢舞台での金メダルに懸ける思いで、心に巣食う不安を払拭(ふっしょく)できるか。残された時間はそう多くはない。
https://news.yahoo.co.jp/articles/7ad5d6556dd6117c7d09e7a6a28f4bb02dc62fc0
(出典 amd-pctr.c.yimg.jp)
【テニス】うつ病告白の大坂なおみ 東京五輪「必ず出る。そのために日本国籍を選んだ」関係者
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